【第10回】薬剤師の避難所 対応実践編について

2021年11月12日

株式会社TYCS 代表取締役
NPO法人薬剤師緊急対応研修機構 代表理事 山口勉

参加者:8名

【第10回】薬剤師の避難所 対応実践編について

山口 勉氏

略歴
2001年3月 明治薬科大学薬学部製薬学科 卒業
調剤薬局で勤務をしながら
救急、災害の研修などを
受講・インストラクターなどを経て
2013年5月 第1回 薬剤師メディカルラリーを開催
2015年4月 特定非営利活動法人 薬剤師緊急対応研修機構を設立、理事長に就任
薬剤師の救急対応のコース「PERT」を開発、コース開催
2018年9月 株式会社TYCS設立 代表取締役に就任 薬局ラクトファーマシー運営

医療における災害

自然災害とは異なる。自然災害が起きても、傷病者、医薬品、医療材料に影響が出なければ医療における災害とは言わない。

災害と救急の違い

災害:限られた資源を最大多数に向ける。行政中心の地域防災計画。
救急:できる限りの必要な資源を少数に向ける。医師中心。

スタート式トリアージ

軽症(緑) 歩ける
中等症(黄)10回≦呼吸<30回
重症(赤) 呼吸不全、循環不全
死亡?(黒)医療資源が整えば治療する

避難所へ来た時に何をすべきか?

発災後の経過時間により行動が変わる。
避難者が到着するタイミング。年代、性別の把握。医療、衛生の需要。

そこにいることを誰かに伝えたか

誰かに伝える手段を得る努力
組織で動くことが重要
もっとひどい場所があるのではないか
今、目の前にあるもの以外に集中すべきものはないのか
→俯瞰の目が必要

避難所アセスメント

避難所におけるリーダー、医療担当
避難所、周辺の安全
収容人数、男女比、年代別人数、高齢者、妊婦、乳幼児
医療需要、供給を要請する手段
医療をする場

多数傷病者への対応標準化トレーニングコース

(MCLS:Mass Casualty Life Support)
す: スイッチ
し: 指揮
あん:安全
じょう:情報
ほう:報告
よう:要請
場所取り:活動場所の設定
T:Triage
T:Treatment
T:Transport

CSCATTT

Command and Control
Safety
Communication
Assessment
Triage
Transport
Treatment

他にも

日本災害医学会
PHARMACIST
いざくすりや
いざききかんり
Methane

避難所へは組織的に派遣される

それそれの地域での協定を確認する
それぞれの役割が明確にされていることが多くなっている
薬剤師会の任務は、被災者への医薬品の供給

具体的に避難所で行われる作業について

刻々と状況は変化する
聞いている情報と異なったり、新たに得た情報は自分の所属するリーダーへ伝える
指示外のことがあった時には、提案→承認→指示→実行→報告

医療・薬以外で気がつくところ

下足管理
トイレの問題
手指消毒
換気における風向きと配置

備蓄された医療資機材の確認

備蓄医薬品等はどこに、どのように保管されているのか
保管に特化して備蓄してある。

資機材の展開

他職種が利用するので協働を考慮した整理・展開が必要
コンセンサスが重要

医療に協力する

派遣された医師が全てできるわけではないのでさらに協働が必要

Q.災害処方箋の取り扱いは?
A.避難所内のみで取り扱い。保険薬局では取り扱えない。
Q.備蓄薬品がどこに保管されているか知る方法は?
A.保健所や避難所など。地区により異なる。事前に行政に確認すると良い。

次回予告
「薬局におけるInstagram活用術」
11月26日(金)21時〜

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